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4004中国は見る(2542)米大統領選後の米中関係


美国大选后的中美关系
2016/11/09  来源:日经中文网
 
2008年のリーマン危機を乗り切った米財務長官で、中国通でもあるヘンリー・ポールソン氏が、米中の間でくすぶる保護主義の連鎖の芽にいらだっている。
 
 
“中国は、米国のビジネスに対して開放的であることが大切だ” 先週、香港での講演会で訴えた。 背景として、米国内の空気も明かしている。 “「中国が閉鎖的なのに、どうして我々の市場をオープンにしなければならないのか」という声が、政策担当者の間でますます高まっている”と。
 
 
米国内のいらだちと不安
 
 
中国は、外資による中国への投資の認可の厳しさや出資制限で知られる。 これに対し、米国内での不満が強まっているというのだ。 そして、こう結論づけた。
 
 
“保護主義的な機運は非常に深刻だ” 反グローバル化、しかも世界首位と2位の経済大国の間で共振しつつある反グローバル化への懸念だった。
 
 
同氏は、経済グローバル化の筋金入りともいえる信奉者だ。 同氏のキャリア自身がグローバル化と切り離せない。
 
 
冷戦終結後にグローバル化が加速した1990年代、ゴールドマン・サックスの投資銀行家として国境を越えた企業のM&A(合併・買収)や資金調達の助言を多く手掛け、99年には最高経営責任者(CEO)に上り詰めた。 2006年に財務長官に就任した後は、米中の摩擦を避けるために経済問題を話し合う「米中戦略経済対話」を主導した。
 
 
それだけに、自国での米大統領選が拍車をかける形で反グローバル化、特に中国への警戒論が盛り上がっている事態に神経をとがらせざるを得ない。
 
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トランプ氏とクリントン氏
 
 
同氏は中国側に対してこうも訴えた。 “米国民は思い通り成長しない経済にいらついており、米政府が手を打っていないことに怒りを覚えている。 だからこそトランプ氏(の保護主義的な発言)は米国人の琴線に触れた。 中国にはそんな事情も理解してほしい” 景気の停滞が続き、米国民も我慢する余裕がなくなっていると説明したのだ。
 
 
クリントン氏であれトランプ氏であれ、新しい大統領は米国民のこんな不満と向き合うことになる。 ならば、米国の保護主義機運も、中国との緊張も続くのか。
 
 
世界の市場は表面上こそ穏やかだが、投資家は保護主義のリスクに備えつつある。 
大手資産運用会社フィデリティ・インターナショナルの香港拠点で、アジア株投資を担当しているキャサリン・ユン氏は“中国企業が外国で企業買収を繰り広げていることを忘れてはならない”と警戒していた。
 
 
反グローバル化は答えではない
 
 
今年は海爾集団(ハイアール)が米ゼネラル・エレクトリック(GE)の家電事業を56億ドルで買うなど、中国企業による米企業買収が続く。 調査会社ディールロジックによると今年1~9月、中国企業による米企業の買収は124件、357億ドルとなり、年間の過去最高を記録している。
 
 
中国企業は国内市場が成熟して外国市場を開拓する必要が出てきた。 もう低賃金とはいえないので、これからも利益を出すには先進国企業の先端技術を手に入れて付加価値の高い製品を作りたい。
 
 
だが米国で保護主義が高まり、買収に横やりが入れば中国企業は成長の機会を失う。 事実、10月は米投資会社ブラックストーン・グループが、保有していたホテルを中国企業に売却する構想を取り下げたと伝えられた。 ホテルが米海軍基地の近くに位置するとして、安全保障を理由にした売却反対論が米国で持ち上がっていた。
 
 
このような機運に拍車がかかると、中国は経済的に打撃を受けるだけでなく、報復として新たな保護主義に走る恐れがある。 そんな「米中保護主義戦争」は、世界経済を脅かすに違いない。
 
 
財務長官を辞めた後のポールソン氏に、政治家の課題を尋ねたことがある。 答えはこうだ。 “人々は(税金などで)支払う以上を求めるのが民主主義の現実だ。 だからこそ、不人気な政策をためらわない政治的なリーダーシップが問われる” リーマン危機のさなか、行き詰まった金融機関を税金で救う不人気政策を通すために、政治家の説得で苦労した経験が背景にある。
 
 
それは、来年1月に就任する新たな米大統領の課題でもある。 反グローバル化は目先の票は稼げても、答えではない。 企業のオフショアリング(業務の海外委託)や移民の流入で生じた人々の雇用不安をはじめ、グローバル化には確かに副作用がある。 暗部を取り除きつつ、グローバル化をどう進めるかを市場は見極めるだろう。

 
美国大选后的中美关系
2016/11/09  来源:日经中文网
 
梶原诚:亨利·保尔森是2008年爆发雷曼危机时的美国财政部长,也是一位知名的中国通,他对中美之间的保护主义正在抬头深感忧虑。
 
“中国向美国的商业开放非常重要”,保尔森日前在香港演讲中发出这样的呼吁。美国国内的气氛证明了这一点,“‘为什么中国是封闭市场,而我们却非要开放市场’的观点在政策制定者中越来越得到认同”。
 
美国的焦躁与不安
 
众所周知,中国对外商投资的审查非常严格,出资会受到限制。对此,美国国内的不满正在加剧,于是就有了这样的结论。
 
“保护主义的趋势明显高涨”,保尔森对于反全球化,尤其是正在世界第一和第二大经济大国之间产生共振的反全球化感到担忧。
 
保尔森是一位非常坚定的经济全球化的信徒,其职业本身就与全球化有着难以割舍的关系。
 
冷战结束后,全球化在上世纪90年代呈加速推进趋势,作为高盛集团的投资银行家,保尔森为跨国企业的并购(M&A)和募资提供过许多建议,并于1999年升任高盛的首席执行官(CEO)。2006年担任财政部长后,主导了为避免中美摩擦而磋商经济问题的“中美战略与经济对话”。
 
正因为如此,对于美国总统大选中出现的反全球化,尤其是对华警惕论高涨深感忧虑。
 
特朗普与希拉里(reuters-kyodo)
 
保尔森向中国发出这样的呼吁:“美国民众对经济增长没达到预期目标焦躁不安,对美国政府的不作为感到愤怒。因此特朗普(的保护主义言论)触动了美国人的心弦。希望中国能理解这种状况”,对经济持续低迷,美国民众已到了忍无可忍地步的情况进行了说明。

 

无论是希拉里还是特朗普当选,上任后都将面临着美国民众的这一不满。这样下去,美国的保护主义势头及中美关系紧张都会持续下去吗?
 
目前全球市场只是表面上显得平静,实际上投资者正在着手防范保护主义的风险。
大型投资管理企业富达国际的香港基地负责亚洲股票投资的杨恩(Catherine Yeung)发出警示:“不要忽略中国企业正在国外展开并购的问题”。
 
反全球化不是答案
 
中国企业不断收购美国企业,如海尔集团今年用56亿美元收购了美国通用电气(GE)的家电业务等。根据调查公司迪罗基(Dealogic)的数据,今年前三季度中国企业收购美国企业124起,收购额357亿美元,打破了历史最高记录。
 
随着国内市场的成熟,中国企业需要走出去开拓海外市场。由于不再有低工资的优势,今后要想创造利润,需要获取发达国家企业的先进技术,制造出高附加值的产品。
 
但美国的保护主义意识高涨,如果对并购活动加以阻拦的话,中国企业将失去成长的机会。事实上10月就有传闻,美国投资管理公司黑石集团已经取消了将所持酒店出售给中国企业的计划。原因是酒店地处美国海军基地附近,在美国出现了以安全原因反对出售的观点。
 
如果这种观念进一步得势的话,恐怕有可能出现中国不甘于在经济上受到打击,作为报复手段会走向新的保护主义的可能。这种“中美保护主义战争”无疑会严重威胁世界经济。
 
曾有人向辞去财长的保尔森寻问政治家的问题。他是这样回答的:“民主主义的现实状况是,人们总是提出超出(税收等)支付能力的要求。因此,毫不犹豫地推行不受欢迎的政策才能体现出政治领导能力”。在雷曼危机最困难时期,为了通过用税收救助瘫痪的金融机构这一不受欢迎的政策,保尔森曾费尽周折来说服政治家。
 
而这也是明年1月上任的新一届美国总统所面临的课题。反全球化虽然能赢得眼前的选票,却不是真正的答案。以企业业务外包(将业务委托给海外)和移民流入而产生的就业不稳定为首,全球化的确有一定的副作用。但市场经济一定会看清楚如何在消除负面影响的同时推进全球化的。

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