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664中国は見る(372)馬立誠:歴史問題を中日関係の中心問題とすべきでない(5)

马立诚:历史问题不应成为中日关系的核心问题

http://bbspage.bokee.com/gdft/mlc2007/01.htm
访谈时间2007525日 访谈地点:北京人民日

ブログ中国:あなたは日本の右翼に警戒し、中国の国家利益を守るべきだとおっしゃっています。 しかし一方、日本の政治大国、軍事大国になるという要求を大げさに騒ぐことではないとも話されています――恐らく多くの人は、後者の見方については、受け入れられないと思います。 どう説得されますか?

馬立誠:日本は、もう経済大国であり軍事大国です。 これは全世界が知ってる事実です。 近年、日本は一貫して“正常国家”(普通の国)となることを求めています。 この正常国家とは、経済大国、軍事大国と政治大国になることを含んでいます。 これは現実的成り行きです。 もし永久に日本を正常国家にさせないと言っても、それは出来ないことだし、世界的にも通りません。 最近の世界最新統計のいくつかの指標を見ても、ビジネス競争力、観光競争力など、日本はどれも世界の前列にいます。 2007年5月、最新の“世界平和指数”が発表されましたが、国別平和度の指標で日本は第5位にランクされました。 中国は60位でした。 そのため、中国の多くのメディアは、日本の世界でのイメージは断然中国より上だと報道しており、人々の話題となりました。 もちろん、日本が政治大国になるには、障碍を克服しなければなりません。 しかしこれは現実的趨勢なのです。 我々も現実に応じて、中日両国の友好互恵の基礎に立ち、日本に対して一定の理解を示してもよいと思う。 戦争が終わってからもう60年経つ。 永久に日本を正常な国家とさせないわけには、恐らくいかないだろう。 今、日本はすでに安定した民主国家である。 その権力の制約もはっきりしているのだから。

もちろん、我々は少数の右翼分子に対する警戒を怠りはしない。 彼等の非理性的な宣伝を暴き、侵略戦争を否定する動きを明らかにすることは長期的な取り組みである。 中国にはこういう諺がある。 “森の中にはいろいろな鳥が住んでいる” そうじゃないですか? 

特に台湾という中国の核心問題については、我々は両岸統一の立場を堅持し、譲歩はできません。 これと日本を理解し正常国家にすることとは決して矛盾しません。 我々が両岸統一を堅持するため、一方でアメリカと協力関係を結んでいるのと同じようなものです。 我々は今、そうやっているじゃないですか? 今年9月には、中米両国は軍事ホットラインを設けようとしています。 これをあなたはどう理解されますか?

ブログ中国:つまり、日本は政治大国になる時期が、もうきたということですか?

馬立誠:それは時期尚早と思います。 ここで私達が決めるものでもありません。 日本は今、国連常任理事国入りを希望しているでしょう? これは政治大国になりたいという意思表示です。 日本が政治大国になりたいという問題に対し、中国政府は弾力的に現実的な態度をとるべきだと思います。 そうすることが中国共産党第十六回全国代表大会(十六大)で言う、隣国と仲良くする方針を具体的に表すものだし、現実的方針に添うもので、アジアと世界の平和のためになるものです。

平和の話ということになると、先ずは、中日両国はそれぞれの民族主義を抑える必要があります。 国際政治学では“誤解は誤解を生む”(果てしなく広がる誤解)という言い方があります。 もし偏狭な民族主義が膨れ上がり、その国の政府をコントロールするようになると、外交政策の選択の幅が縮小されていきます。 ある国の民族主義の風潮が嵐のように吹き荒れると、必ず相手国の民族主義を刺激し、やはり熱狂的になります。 この対立は、両国政府の政策の選択の幅を次第に狭めていきます。 そして民族主義者の要求に従い、強硬に出ざるを得なくなります。 こっちが強硬に出れば、相手も強硬になります。 互いに強硬になっていったら、結果はどうなるでしょう? 頭のいい人ならわかるでしょう。 そうなったら、すぐ武力紛争が起こりますし、下手すると戦争になります。 これは、わざと脅かしているわけではありません。 歴史上こうした例は、数多くあります。 胡耀邦が言った“斗則両傷”(仲たがいすれば共に傷つく)は、こうした状況を予防するため言ったことです。 胡耀邦は、しっかりした目的を持って発言します。 彼は高いところから先を見通す、すぐれた識見を持ち、二国間や世界の教訓を総括した上で、この言葉を言ったのです。 頭のいい人は、事が芽生えた時、その結果を見通せます。 頭が悪い人は、事がすでに発生していても、どういうことかわからないでいます。 我々は、頭が悪い人にならないようにしないといけません。

例を挙げましょう。 鄧小平が日本で新幹線に乗った後、“私はどういうことが現代化というのかわかった。 我々は、正直に自分達の後れを認めなければいけない。 後れを認めれば、希望が生まれる。 今回、日本に来たのは、日本に教えてもらうためだ”。 

あれから30年経ったが、憤青の中には、ネット上で署名活動を行い、もし日本の新幹線を導入したら、レールの上で自殺してやるというのがいる。 鄧小平に比べると、憤青達の頭は、まったくどうかしている。 ネット上の署名運動が出た後、当時の経済担当の責任者が、“こんな大字報(壁新聞)のような政治運動で、国家間の経済・貿易関係を解決すべきでない”と述べていた。

ブログ中国:最近、私はこんな文章を読みました。 “日本人は、今は文明人だ。 もう戦争はしない”――あなたもそう思われますか?

馬立誠:これについては、まだ核心的なことは言えません。

ブログ中国:あなたがお考えの核心とは何ですか?

馬立誠:核心的なことは三つあります。

第一は、日本は第二次大戦後、国を根本的に作り直しました。 軍国主義の専制体制を倒し、民主的法治体制に移行しました。 日本国内にはいろいろな政治力があり、互いに制約しあっています。 たとえば日本第二の政党・民主党は国会で、およそ200名あまりの議員がいます。 彼等の目標は、あらゆることについて自民党の不正を探し出し、出来るだけ早く自民党を追い落とそうと考えています。 そのほかには、共産党、社民党などがあります。 私は日本共産党中央委員会に行ったことがあります。 彼等は熱心に党の機関紙“赤旗”を見せてくれました。 そこには日本政府を批判、暴露する記事が載っていました。 共産党は国会にも議員がいます。 また地方では首長を務めている者もいます。 こうしたことは日本では、すべて公開されています。 カントは、“民主平和論”の中で、民主的制度は戦争を阻止することが出来ると述べている。 鄧小平は、かってこう言った。 “スターリンが法制をぶち壊したようなことは、米英仏のような国では起こらない。 それは法律により国を治めており、制約があるからだ”  民主と法治の体制は、戦争をしようとたくらむ人達の熱狂を、間違いなく制約することが出来る。

第二は、初期の日本は、一部の人達の領土拡張方式で、人口の膨張と資源不足の矛盾を解決しようとした企みが、大敗を招く結果となり、おびただしい代価を支払うこととなった。 東京などの都市はほとんど焼け野原となり、原子爆弾の被害にもあった。 戦後、日本は技術と貿易立国を通じて、人口と資源の矛盾を解決し、目を見張る成功を収めた。 この対比から、日本は戦後教訓を生かして、平和発展の道を歩んできたといえる。

第三は、中国は、もうかっての“東亜の病人”ではない。 中国は、ますます強くなり、現在世界で議論されていることは、中国がいつアメリカを追い越すかということである。 中日両国の力を比べた時、根本的な変化が起こっている。 中国の繁栄・隆盛に伴い、総合的国力、戦略を深く観察すると、日本はもう相手ではなくなっている。 日本はそれでも戦うというのだろうか?

この三つを一緒にして総合的に見なければならない。 この三つを適切に処理できるなら、大規模な戦争は起こるはずがない。

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