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660中国は見る(368)馬立誠:歴史問題を中日関係の中心問題とすべきでない(1)

马立诚:历史问题不应成为中日关系的核心问题

http://bbspage.bokee.com/gdft/mlc2007/01.htm
访谈时间2007525日 访谈地点:北京人民日

Photo_1578 馬立誠:元“人民日報”評論部主任編集、鳳凰衛星テレビ評論員、《交鋒―当代中国三次思想解放実録》(邦題:交鋒--改革・開放をめぐる党内闘争の内幕)(などのベストセラーを出した著名な政治評論家。 2002年、“対日関係の新思考”を発表した後、ネットの憤青達から猛烈な攻撃にあった、代表的人物だ。 今、日中両国関係は、“氷を砕き”“氷を融かす”状態を経て、退勢を挽回し、谷底から這い上がり、よりよい発展を目指す軌道に乗り始めた。

馬立誠が言う“対日関係の新思考”も、どうやら理解が得られるようになった。 この数年、馬立誠は日中関係をどう考えているのか? 彼は、現在どういう方面の研究をしているのか? 5月25日、馬立誠氏は「ブログ中国」のインタビューを受け、日中関係、中国の発展等、我々中国人が普通に関心を持つ問題について、彼の見方を話してくれた。

“漢奸論”の流行と偏狭な民族主義の隆盛は切り離すことが出来ない

(馬氏のブログの文章の後の方に、以前、彼を漢奸(売国奴)だという書き込みがあった。 これはすべて“対日関係の新思考”という文章を発表したことによる。 “愛国意識は往々にして国を誤り、理性的愛国は往々にして外国にへつらうと言われる。 これは中国の悲劇だ”――馬立誠の直言 中国の偏狭民族主義は危険)

ブログ中国:この2年ほど“漢奸”という言葉がよく使われています。 この現象をどうお考えですか?

馬立誠:この2年ほど、“漢奸”は、ネットの上で新しい“帽子”(レッテル)になりました。 やたらと振り回し、まるで“文革”の時の紅衛兵が“三反分子”(反党、反社会主義、反毛沢東思想分子)の帽子を振りかざすかのようです。 ちょっと前、柏楊が“醜い中国人”を書いて漢奸と言われました。 章子怡(チャン・ツーイ)が日本の芸者を演じて漢奸と言われました。 姜文も靖国神社を参観したことで漢奸と言われました。 また政界でも、龍永図は、世界貿易機関(WTO)交渉に臨み大きな成果を挙げたのに、国家利益を損なったと非難され漢奸にされてしまいました。 スポーツ界でも、何智麗は、日本人と結婚し、日本国籍を取得し、鄧亜萍を破ったため漢奸と言われました。 郎平は、イタリーの女子バレーボール・チームのコーチとなり、中国チームと対戦し、漢奸と言われたことがあった。 そのほか、産業界では、“徐工集団工程機械(江蘇省)”の代表が、米大手ファンド、カーライル・グループに買収される問題で

漢奸と言われました。 つい最近(5/15)新聞に、カナダの会社がイギリスのロイター通信社を買収する記事が出ていました。 ロイター通信社はイギリスでは、我が国の新華社のような地位にありますが、ロイター社は“英奸”にはならないんでしょうか? 英国国内にはこのような議論は起こりませんでした。 こうした状況から考えても、我が国のネット諸君は了見が狭く、視野が狭いと言わざるを得ない。 考えが狭く、それに感情的なものが加わると、どうしても漢奸のレッテルを人に貼りたくなる。 こんなことはまったく馬鹿げたことだし、悲しむべきことだ。 漢奸とはどういう定義になっているのか? “現代漢語詞典”には、こう書いてある。 “侵略者に身を投じ、国家民族の利益を売り渡した中華民族の裏切り者”。

“辞海”では、漢奸という言葉をどう説明しているか? “中華民族の中で外国侵略者におもねり、自ら進んでその使い走りをし、祖国を裏切った反逆者”とある。 この二つの定義の中には、“侵略”という重要な要件があって、前提としては、“侵略”が発生していなければならない。 分かりやすく言うと、交戦状態の下、敵国を助け、自国を陥れようとすることを指す。 現在は21世紀初頭、誰が我国を侵略するというのだ。 ありえない。 侵略をいうなら、最近、ベトナムと韓国が我国の南海と東海の島を占拠したことがあった。

だが、たとえ両国の交戦という状況にあっても、この定義をいい加減に理解してはいけない。 たとえば、ちょっと前、アメリカがイラク戦争の進行中、米国のクラーク元司法長官は、“イラクへ行き、フセイン大統領を弁護する”と発表した。 このように声高に敵国を支持したクラーク元司法長官は、“米奸”ではないか? また抗日戦争中、日本の軍人の中にも目覚めるものがおり、八路軍に投降し、前線で八路軍を助け、日本軍に向かった者もいた。 これら日本人は“日奸”というのか?

もっと例を挙げると、林則徐、譚嗣同、魯迅は漢奸だろうか?

Photo_1579 林則徐は、外国の侵略に抵抗しながら、外国を理解し学ぶ必要性を主張した。 しかしたちまち問題になってしまった。 林則徐の主張は、実際間違っていない。 戦争するのに相手を知らなくてはならない。 自分の能力を高めるため、相手の長所を参考にし学ぶことは、間違いではあるまい? しかし林則徐のこの主張は、清朝の多くの役人達には受け入れられず、林則徐は、中国の文化・安全を破壊するものだ。 林則徐は漢奸だといって、林則徐を糾弾すべしという者まで現れた。 なぜか? 外国のものを使って、中国を変えようとしたからだ。 林則徐が広州へ行って、アヘンの取り締まりを行っている時、広州で各方面の情報に詳しい梁という男がいて、林則徐の下で働いていた。 しかしこの梁という男も、“林則徐は素晴らしい人だ。 でもこの点(外国の知識容認)だけは良くない”と言った。 これは当時の閉鎖性を反映したものと言える。

また譚嗣同。 彼は、“仁学”の中で、こう言っている。 幸い、中国の海軍は、イギリス、フランスに及ばないし、陸軍はロシア、ドイツに及ばない。 もし中国の軍隊がもっと強かったら、世界中の人を殺すことになり、専制皇帝の災いが全世界に及ぶことになる。 だから各国が中国を抑えてくれたのは、正に天意である。 西洋が中国を侵略するのは神の仁愛である。 中国の皇帝は野蛮すぎるし、国民に対してひどすぎる。 だから道義的優勢を西洋に持っていかれたのだ。 西洋人はややもすれば彼等が中国人を助けるのだという。 “朝廷を倒し、国民を救う”のだと。 では、その道義的優勢なるものは西洋のどこに行ったのか? 譚嗣同のこれらの話は、漢奸の言論だろうか? これらの話は袁偉時中山大学教授)よりひどいとものだ。 譚嗣同は愛国だろうか? 漢奸だろうか?

それから魯迅。 1932年1月28日、上海事変が勃発した。 日本軍は上海を猛攻し、空が真っ赤になるような激しい砲撃を続け、19路軍が必死に抗戦した。 翌1月29日、魯迅はあわただしく日本人の所に避難した。 この後、暫く日本軍への抵抗戦の間、魯迅はずっと日本人の保護の下にあり、彼の“三閑集”や“二心集”を整理していた。 大変なことではないか? 百%、漢奸ではないか? 1934年5月、上海の“社会新聞”という雑誌の七巻十二期が、“魯迅漢奸志望”と題する文章を載せている。 しかし毛沢東は、“魯迅は少しも媚びへつらうようなことはなく、今までに例がない民族の英雄だ”と語った。 魯迅が亡くなった時、社会の各界は彼を“民族魂”と称えた。 これをどう解釈したらいいのだろう?

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