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632中国は見る(359)安倍首相 靖国神社へ“奉納”の真意(下)

2007-05-10 19:29:46 :原:安倍向靖国神社的真意本文网址:http://bbs6.news.163.com/zhongri/1192104,13.html

Photo_1338 安倍晋三は、内閣官房長官の時、靖国神社の春の例大祭の前にこっそり参拝したことがある。 しかし自民党総裁選に出馬を宣言してからは、“靖国参拝”問題を、一貫して“あいまい政策”を取り、参拝するともしないとも言わず、“適切に判断する”とのみ表明している。 これは別の一面である。

安倍首相の変化の要因 考えられるいくつかの理由

まず第一に、安倍首相はよく人の意見を聞くことである。 中川秀直・元自民党政調会長、現自民党幹事長は、安倍首相が最も信頼している片腕で、特に経済と外交問題で、その影響力は大きいものがある。 しかも中川氏は、対中穏健外交を主張しており、中国のトップクラスとの人脈もある。 日本のメディアの報道によると、安倍氏の総裁選の際、中川氏と安倍氏のもう一人の“仲間”山本一太参議院議員が何度も中国を訪れ、中国側と折衝を重ねていた。 山本一太と中国の党対外連絡部との関係も深いものがあった。 中国側も“ポスト小泉”の外交の突破口を探していたことでもあり、双方とも“靖国参拝”が、両国の政治関係を国交回復以来最低に落とし込んだことについての共通認識を持っていた。 中川、山本の訪中は、安倍が“靖国参拝”問題で、“方針転換”することを申し出ていた。 安倍の腹心としての中川秀直と山本一太、世耕弘成(親米派だが、日本は中国と科学技術、ITなどの分野で協力すべきと主張)は、日中関係改善提案に、安倍の“方針転換”が絶対効果があると主張していた。

Photo_1340  その次に、自民党と連合している公明党は、一貫して“靖国参拝”には反対していた。 公明党の精神的指導者・池田大作と中国の歴代指導者の関係も相当深いものがあり、今回、温総理は特別に時間を割いて、この日本の“民間の実力者”と会見した。 連合している盟友である公明党の意見も、安倍首相の対中外交に影響を及ぼしている。

また、経団連をはじめとする日本経済界も“靖国参拝”には反対だった。 小泉時代、時の奥田硯・経団連会長は、何度も小泉首相の靖国神社参拝は、日中関係を“政冷経熱”から“政冷経冷”にさせてしまうと心配を表明していた。 また“個人的判断と国家利益に立たない判断は、調整する必要がある”とも述べていた。

第四に、安倍首相は、党内と党外の反対勢力の動きも見なければならなかった。 たとえば加藤紘一元自民党幹事長、小泉の盟友山崎拓なども靖国に反対していた。 彼等は自民党内で力もあり、しょっちゅう策動している。 今日、状況は変わったが、この先輩達の影響力は依然としてあり、いつ何時歯向かってくるか、油断できないと安倍は見ている。

第五に、小泉時代末期、安倍が首相に選ばれた頃、日本国内には、日中、日韓関係改善の声が高まった。 去年9月、NHKの世論調査によると、7割近くの国民が周辺国家との改善を望んでいた。 “靖国参拝”では、二種類の声があった。 たとえば、日本第一の新聞《読売新聞》の編集主筆は公然と靖国神社参拝に反対した。 昭和天皇の侍従の日記が公開され、天皇が、A級戦犯が合祀されたことに大変“ご不快”で、そのため二度と靖国神社に行かれなくなったことなどが書かれていた。 このようなことも原因となり、明敏で変わり身の早い安部晋三首相は、“靖国神社参拝”問題で転向した。

安倍の転向と、中国との関係改善に最大の意欲を見せたこと、日本の戦後の首相が最初に訪問する国がアメリカでなく中国とする先例を開いたことは、日中の政治関係を促進させ、温総理訪日で“氷を融く旅”を実現させ、両国の“戦略的互恵関係”を確立させた。 安倍首相が取った政策は成功を収め、温総理訪日後、安倍首相の支持率は大幅に上昇し、日本経済も“溶けた氷”の甘い水を味わっている。

しかし安倍首相は、日本の歴史上キャリアの浅い若い首相であり、“靖国参拝”問題で、自民党内のタカ派や右翼団体そして遺族会などの圧力に立ち向かわねばならない。 “あいまい政策”は、一時的には抑制させることができ、安倍首相に日中関係改善の願望を果たす時間を与えたけれど、タカ派勢力と右翼、メディアはガマンができなくなり、右翼的なメディアは、安倍首相の対中弱腰外交を批判し始めるだろう。 このような背景の下、首相の座を安定させるため、安倍首相は、迎合する姿勢を見せねばならなかった。

前段で、安倍首相が北朝鮮強硬論で売り出したと話したが、“強硬派”のイメージを維持するため、北朝鮮に対して依然強硬政策を取り、“拉致事件”で一歩も譲ろうとせず、この問題を“六ヶ国会議”でも持ち出し、かつまた日本のメディアに盛んに報道させ、強硬外交のイメージを浸透させた。 だから靖国神社春季例大祭で、安倍首相はジェスチャーを見せざるを得なかった。 利害得失を考えた末、安部晋三はついに “綱渡り”を演じ、この厄介な問題を解決しようとした。 追悼の意を表しているものの、自ら参拝するわけでない。 “総理大臣”の名義を使ったが、金はポケットマネーだ。 “インチキな手”を使って、うまくやり通し、何のお咎めもないことを願うばかりというところだ。

だが実際を言うと、安倍首相のこの手は、彼個人のオリジナルではない。 とっくに1980年代、中曽根元首相が、首相在任中の数年間、この方式で靖国参拝問題を回避したことがあった。 しかし、今回と違うのは、当時の靖国神社は、対外的に発表しなかったが、安倍首相にはその幸運はなかった。

以上述べたところを総括すると、 

安倍首相の政界での道筋を辿ってみると、“山を張ったり”、“変わり身の早さ”が見られる。 今回の“奉納”もそのうちの“手練手管”の一つである。 安倍首相は、現在、積極的に中国との関係改善をしようとしているが、根本的には、依然として執政方針と方向性が見えてこない。 安倍首相は、靖国神社問題で“あいまいな態度”を取るというか、逃げ道を残している。 後日、政治危機が訪れた時、“以前の状態に戻り”“靖国参拝”にすがる事になるかもしれない。 だから、中国は安倍内閣を相手にする時は、まずしっかりと日本の国内状況を見極め、その上で対応を考える必要がある。

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