436 中国の三面記事を読む(109) 万里の長城保護条例施行
①長城保存はわが民族の歴史を守ること
②万里の長城はもう2500キロもない
①長城保存はわが民族の歴史を守ること
2006-10-27 15:51:35 新华时评:保卫长城、保护我们民族的历史
新華ネット大原10月27日電:《長城保護条例》が先日公布され、12月1日から実施されることとなった。 長城保護がやっと法の規制を受けることになり、長城を大事に思う社会の人々にとってはどうやらホッと一安心といったところだろう。
しかし長城を訪れてご覧なさい。 どうしても心配になってしまう。 いかに法律で悪質な長城の損壊事件をなくそうとしても、私達にはまだいろいろな考える必要がありそうだ。 2千年もの風雨を経てきた長城は、1987年国連の世界文化遺産に登録された。 中国の代表的自然と文化の遺産であり、中華民族の勇敢、強靭、知恵、精神の象徴である。 しかし平和な時代にいる私達は、昔のままの“身体”で幾多の戦乱をかいくぐった長城の、歳月の侵食と人為的破壊で次第に壊れていくのを見ていくしかない。
中国長城学会の調査によると、明代の万里の長城の比較的城壁の保存状態がいいところは20%も残っていないという。 はっきり遺跡と分かる部分ももう30%もないという。 風や砂の浸食、戦火砲煙により、長城は常に傷つけられてきた。 長城のそれぞれ違った地域・場所に共通する内部構造の変化現象、崩壊の危険が一番多いのだが、損壊したところは基本的には直ちに修復するとはいかないようだ。
我国で歴代の長城が多く残っているのが山西省内で、現存する戦国時代から清代まで長城は全部で2500キロ余りあるが、大部分破壊されてしまっている。 比較的保存がいいのは荒れた山の中、人が登れない長城だけだ。 道路の傍、村の傍、耕地の傍にある長城は、村民の多くが、直接長城のレンガを持ち去ったり、家の建築に使ったり、街の建設や工業、農業、交通などの工事に使われることも珍しくなかった。 こういった形の破壊が、今日もまだ引き続き行われているのだ。 更に恐いことは、経済発展と相呼応して秘密裏の人為的破壊が進んでいることだ。
ある地方では、長城を観光の道具にしようと、王朝が違う長城を科学的論証もないまま、すべて同じように明、清の長城として修復したりしている。 ロープウェイ、リフトなど現代観光の娯楽施設は長城の原風景を破壊しているばかりか、長城の壁自体にも崩壊の危険を招いている。 また更に多いのが、長城を管轄する地域の文物保護規定に入れないで“資金がない”“保護できない”という口実で遺棄することだ。 長い年月を経た長城は、一旦壊れてしまうと再生することは難しい。 ひび割れた陶器を元の陶器に戻すことができないようなものだ。
現在“世界遺産基金”が、長城を世界の100の重大危険遺跡の一つに指定している。 国が法律を作って長城の保護をするのと共に、私達に、もしそういう危機意識がなく、貴重な資源を守ろうという自覚がなく、更に眼前の利益ばかりに目がくらみ、むやみに長城を“開発”したりすると、あるいは間もなく長城は無くなってしまうかも知れない。 これからの人達は、あるいは私達が今、“龍”を論議するのと同じように、長城の過去を推測し、民族の歴史を推論するようになるかもしれない。
長城の保護は、大至急のことで私たちを待ってくれない。 長城の保護は、私達民族を守ることなのだ。
②万里の長城はもう2500キロもない
2006-10-28 10:07:00 万里长城已经不足2500公里
来源:东方早报(上海) 网友评论1条进入论坛
《長城保護条例》が12月1日から施行される。 国が長城の全体的保護を初めて明確に宣言した。 《条例》の規定によると、長城から土やレンガを取ったり、作物を植えたり、いたずら書きなど7種類の行為を禁止している。 記者が先日長城へ行って調査したところでは、万里の長城保護の現状は楽観できないものがある。 明代史料の記載によると、長城の全長は約6300キロ(約12600里)、だから万里の長城と呼ばれている。 しかしこの名前は、あるいは近い将来その意味を失うかもしれない。
9月27日、中国長城学会董耀会副会長は、陝西省楡林市で中国駐在公使・大使館の人達と長城を歩いた時、残念そうに語った。 “調査では、明の長城で城壁部分がちゃんとしているのは20%もなく、また長城だと分かる遺跡部分も30%に満たない。 城壁と遺跡の総延長は2500キロもないんです。 人跡未踏、自然条件の悪いところでは、長城はもうほとんど消滅してしまいました。 記者の調査でも、長城破壊の一番大きな原因は自然の要素だとわかった。 500年来、風雨、地震などの襲来や破壊により、長い間修復されなかったレンガの城壁と敵の監視台などの建物は内部構造に変化をきたし、倒壊の危険などの問題を抱えている。 北京、河北などの比較的保存されている城壁、敵監視台でも、長年積もったゴミや植物の成長で、城壁に水分が多くなり城壁の強度弱めさせ、倒壊の危険が増している。
専門家は、城壁の植物の根っこの成長は、城壁を破壊するもので、城壁本体の強度を相対的に弱めるもととなり、城壁の膨張がまた雨水を引き入れ破壊に繋がりやすいと指摘している。 こうした状況は、河北、北京、天津などの長城で特に目立っている。 記者が実地調査したところ、山西省と陝西省の多くの場所の長城は、数年前はまだよかったが、現在ひび割れていたり、もう倒壊しているところもあった。 また保護意識の薄い所や、政府の管理が疎かになっているところでは、人為的破壊が近年急増している。
長城に対する人為的破壊の主なものは、材料としての破壊、建設による破壊、観光のための破壊、修復に伴う破壊などがある。 山西省の明の長城では、大同鎮の重要な関所の一部が村民の羊の囲い場になっていた。
中鉄18局集団有限公司の工事部門が、寧夏の中衛市で工事中、秦代の長城を100メートル近く取り壊してしまった。 甘粛省山丹県の長城は、数百年の風雨の浸食により、すでに長い部分が崩壊してしまい、高低まちまちの盛り土になってしまった。
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